2023年5月8日月曜日

鹿ノ子池

徳川家康像とお茶の木
コロナ前はテント泊志向など全くなかった方々と合流の静岡駅前です。テント場じゃないところでテント泊がしたいというリクエスト。これも新型コロナがもたらしたものです。コロナ禍が始まった年、山小屋に泊まるのにも寝袋とマットをもってということがありました。だったらテント泊の方が可能性が広がるということで、様々な山でテント泊を実践してきた方々です。


山小屋が利用できる山では当然山小屋に泊まります。山小屋があるのにテント場を利用した山行にという志向ではありません。と言ってもその山小屋の予約はコロナ後にはとてもハードルが高くなってしまいました。写真は大井川水系の井川ダムの井川湖です。


僕の提案は白根南嶺。山梨側だとかなりハードになってしまうので静岡側からアプローチ。そこには絶対一度は泊まってみたいと思える鹿ノ子池があります。平らであるとか水場が近いとか、快適にテント泊が出来る条件が揃っています。皆さんコロナ前だったら考えられなかったことでしょう。大井川東河内からのアプローチでした。


白根南嶺には山小屋はありません。加えて登山道もありません。地図読みは必須です。旧東河内温泉裏の尾根に廃林道を利用して取付きました。1243m標高点のコル。去年の秋はここまでヒルに悩まされましたが、この時期だとまだいませんでした。


読図が難解な植林地のセクションの後は原生林が続きます。(皆伐された二次林かもですが)


芽吹きの頃です。絶対にみなさんに見ていただきたかったブナの赤ちゃん!


本葉が出始めたブナの実生(みしょう)


ブナの実生の双葉はとても目立ちます。最初に見たのは5月の大無間山でした。印象的な双葉は始めなんだろうと困惑してましたが、一度ブナだとわかると春先に探すようになるわけです。1000m~1600mくらいの標高で登場するブナです。(山梨を中心に考えています) ブナの木が登場するといつも地面とにらめっこしながら歩きました。今年は本栖湖横の中ノ倉山でいくつか見ています。ブナの赤ちゃんの成長はこの新芽が開いて1年目だそうです。


幕営予定地の鹿ノ子池に余裕を持って着きました。というのも都内から新幹線で静岡に来て、そこからさらに2時間以上の車移動、そして登山道のない標高差900mを登ってきたのですから十分なアルバイトです。


コロナ禍があったから個室対応のテント泊が登場したのでした。このブログ記事を書いている今日からコロナウィルス感染症の感染法上の位置付けが5類になったので、何となく感慨深いんです。


設営が終われば焚き火タイム。最近は焚き火では必ず焚き火台を使います。消炭が環境にダメージを与えるからです。とは言っても、8年くらい前はここで直に焚き火していて、それでもその時の痕跡はなかったのですから微妙です。この場所に年間どのくらいの人が来るか?


鹿ノ子池での快適な夜を過ごした翌朝は、静岡と山梨の県境の稜線までピストン。静岡側は大井川水系で山梨側は富士川水系です。これは間違いなく白根南嶺の美味しいとこどりです。


水無峠山の複雑な地形。読図の核心です。わかりやすい岩稜なんかよりよっぽど難しんです。


水無峠山の山頂をあえて決めるならきっと2080m標高点になると思います。この山頂標識はその標高点の北の2070m圏内に昔からあるものです。これを設置した人がわかっているのかどうかはどうでもよいと思っていて、味のあるこの標識で記念写真を撮りました。


三ノ沢山手前の展望地からは小無間山、大無間山がしっかり見えます。


このエリアで皆伐が大正か昭和に行われたかもしれないと思うのはこういったワイヤ―の存在です。明治の宮標石も一緒に写真に映っている皮肉。


標高約2000mのカラマツの新芽。


富士山が近いエリアです。手前の山は七面山です。


青枯山山頂は稜線上の突起にすぎません。本当にこのあたりのピークは青ばっかりです。青薙山、青笹山、青枯山など


青笹ガレの縁が目的の地。まだ新緑に覆われていない稜線上で、ちらちら見えていた南アルプス南部のビックジャイアントだったのですが、この場所は別格です。遮るものが全くないので歓声が上がったくらいです。


昭和40年代に山梨県早川町が設置したプレート。№が書いてあります。№23、№1は大笹峠(山伏峠)にあります。このプレートを見ると古き良き時代なんて感じます。その頃の人の方が山の力があったというイメージ。


バイカオウレンが咲いていました。


水無峠山北の池。


鹿ノ子池に戻ってテント撤収。焚き火台の威力は素晴らしくて消炭はほとんどなくなるので片付けは簡単です。唯一自然にダメージを与えないという意識を持てば、グランドに難燃性のシートは必要かな?と悩みどころです。


下山しながらたくさんのブナの赤ちゃんに会いました。ブナは数年単位で実が豊作にということらしいので、このエリアで去年はブナの実が豊作だったのでしょうか。ブナの実生が凄かった森でした。


この写真は賛否両論だと思いますがあえて載せます。静岡山梨の県境の稜線にうるさいくらいに設置されていたピンクのリボン。このリボンを設置した人がおいらのブログを読むかどうかはわかりませんが、こういった自己満足は勘弁してください、深南部を含めたこのエリアは読図が出来る人のエリアなので、マーキングを目で追って歩く人はいません。はっきり言って邪魔な人工物のリボンです。エリアを守る感覚で撤去させていただきました。


帰りの新東名から見えた富士山。僕には宝永山が出べそに思えました。静岡の皆さんごめんなさい!

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