2023年5月7日日曜日

大佐渡縦走

佐渡に行きたいとリクエストがあり、どうしても2日間しか時間が取れなくて弾丸登山となってしまった初めての佐渡ヶ島です。中央自動車道~長野自動車道~北陸自動車道と走った米山SAでうっすらと佐渡ヶ島が見えました。

新潟港から佐渡の両津港まで65分で移動できるジェットフォイル。弾丸登山なので巻いてまいて時間ファースト。ちなみにカーフェリーだと2時間30分で料金はジェットフォイルの約半分です。

全席指定で飛行機に乗ってるみたいでした。デッキもないしちょっと音がうるさいジェットフォイルの中。

両津港に着いて見えた金北山は雲の中。予約してあったタクシーに合流。この時期(4月の下旬に林道の冬季閉鎖が解除になってからの約1ヶ月間が春の花のシーズン)の大佐渡山脈はたいへん込み合います。


アオネバ登山口は294m標高点。県道81号線佐渡縦貫線(通称:ドンデン線)はそのまま稜線まで登って、宿泊できるドンデン山荘まで行けますし、予約が必要なバスのドンデン号が運行されています。

シラネアオイ。驚くほどのフラワーロードが続く渓谷沿いの登山道です。ニリンソウやエンレイソウが多い中見つけたヤマトグサ。日本の植物学の父、牧野富太郎が発見し日本人として初の新種報告であることからの和名「大和草」と命名した花です。


とても地味なヤマトグサ


アオネバ登山口のアオネバは青粘で、山中でみどりっぽい火山の石がよく見られます。グリーン・タフと呼ばれる緑色凝灰岩の石は風化が進むときれいな青緑色をした粘土となり,地元ではこの粘土をアオネバと呼びます。

急に決まった山行で予約できなかったドンデン山荘を過ぎて進みました。丸みを帯びた緩やかな山頂を「鈍嶺どんれい」というそうで、900メートル級の3つの山を合わせた高原一帯を「ドンデン山」と呼んでいます。

ドンデン池近くのドンデン山避難小屋に泊まりました。

2階建ての避難小屋の周りにはかわいいアマナがたくさん咲いていました。

翌朝は日の出とともに行動しました。大佐渡山脈最高峰の金北山を目指して。

霜の下りた朝。一部地面も凍っていました。


避難小屋下の湿原に咲いていたミズバショウ。

今年は雪解けが速いと言われていますが、残雪は十分ありました。雪に倒された灌木がルートをふさいでいるところがたくさんありました。


大佐渡山脈の稜線もフラワーロード、稜線の主役はカタクリでした。シロバナを見つけました!


ツル性のシダ植物のヒカゲノカズラがたくさん。和名は「日陰の葛」なのですが日当たりの悪い場所には生育しないそうです。

アップダウンが続く稜線をマトネ(笠峰)、ツンブリ平、真砂の峰、天狗の休場と展望の良い稜線を進みます。

佐渡金山のある佐渡ヶ島です。江戸時代は幕府の直轄地で、明治になり皇室の御料林になりました。その時に設置された宮内省御料局(皇室の領地を管理する部署)の三角点。佐渡の御料局三角点は篆書体(てんしょたい) が彫られているのが特徴みたいです。ハンコなんかに使われる字体です。はじめて見ました。実に味がある柱石でした。


鏡池は雪の下なのか気づかず、あやめ池からは残雪がたっぷり。

傾斜が45度くらいの壁のような残雪。ステップが切ってあってロープも設置されていて一気に登りました。

金北山の山頂への最後の雪の斜面。

金北山山頂、もう使われなくなった自衛隊のレーダーに挟まれた金北山神社。ちょっと興ざめなんですが面白いことがありました。

何人もの登山者が地形図に書いてある三角点を探していました。その三角点を読図で見つけたおいらでした。なにかと言えば地形図を読み切るということです。間違いもあるし、等高線が10mの標高差ないと表現できない二五万図ですが基本正確なので。


雪が融けたところにはフキノトウ。前夜その春の苦みを塩味でいただきました。

妙見山山頂の自衛隊のガメラレーダー。詳しくはわかりませんが、きっと日本の防衛最前線の施設なんでしょう。北朝鮮からミサイル発射が凄いですから。

金北山から南西に下る道は車道です。その道は防衛省管理道路ということで防衛省の通行許可が必要なんです。以前はそれぞれの登山者が許可願いを防衛省に提出しなければなりませんでしたが、この5月の短期間に何千という申請は本来業務ではないので今は佐渡トレッキング協会にまとめるという意味で、提出先は佐渡トレッキング協議会です。

下山口の白雲台から予約したタクシーで下山。両津港でジェットフォイルに乗る前にせめてもの観光ということで佐渡トキ保護センターに向かいました。途中、国中平野の田んぼの中を走っている時なんと放鳥された野生のトキに出会えました。ちなみに2割くらいの田んぼで田植えが終わった状況でした。

「キン」のはく製。キンは最後のトキです。

両津港に向かうタクシーから金北山が見えました。

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