いつもの笊ヶ岳です。
甲府盆地を南下して、鰍沢の町を通り過ぎ、富士川沿いの国道52号線飯富を右折、架け替えられた新しい早川橋を渡って県道37号南アルプス公園線に入り、大島にて県道810号雨畑大島線でビィラ雨畑を目指して、トンネルを抜けて右折で老平です。雨畑はあまはた、老平はおいだいらです。
老平から見た布引山と尖った小笊のピーク。
車窓から。雨畑ダムのダム湖、雨畑湖は鏡のような美しさでした。正面にトンネルがあって、それを抜けると馬場のバス停。右折してすぐに老平の駐車場です。
出発してしばらくは林道歩きです。中ほどの素掘りのトンネルにコンクリートが吹き付けられたのは去年。かなりの力技ですね。
林道が終わって登山道になり、程なくして通過する民家です。スタートして40~50分。軒先をお借りして休憩します。
民家のすぐ上のところ、登山道の左下の炭焼窯の跡。何度も通っているのですが、初めて気がつきました。真ん中の棒、よく見るとトロッコのレールです。民家を過ぎて奥沢谷の広河原までの登山道は、昔の森林軌道、トロッコ道を利用してついています。今の登山道の上にはトロッコの痕跡はありません。ここにあったか!トロッコのレール!って感じです。
武沢のつり橋と階段。整備された登山道ではありますが、自然の脅威にはすべておっつくわけではありません。(甲州弁・・・)現場での自己判断で突破です。
広河原までの、奥沢谷左岸の登山道で一番危険な場所。左の谷川は100mはすっぱり切れています。上から水がしたたり落ちるこの場所、古いフィックスロープが張られていますがあまり当てにはできません。覚悟して渡ってください!
老平から広河原までの登山道の中で、一番顕著な崩落地形です。上からの落石がなければ、問題はありません。しかし、落石は予想できません。ここの様子も去年とは変わっていて新しい土砂の堆積の上にトレースがついていました。
無理をすれば靴を履いたまま渡れそうだった広河原の渡渉点。こういった時の判断って難しいです。というのも、靴を脱がないで渡ってしまえば、のど元過ぎればですが、万が一バランスを崩して水没した時はセルフコントロールがきかないわけで、骨折等の緊急事態になってしまいます。そこがこわい!判断の分かれ道です。今回は一番確実な方法、靴を脱いで一番浅いところを渡っていただきました。
写真でもわかるとおり、標高約1600mの四本檜という平らなところ。
樹林帯の中の急登の写真。怒涛の急登です。
途中、檜横手という場所は傾斜が緩みます。ほっとする場所であると共に幕営適地でもあります。檜横手のエリアの中に3~4か所テントを張れるスペースがありますが、写真のここがベストです。檜横手から一旦下りになりますが、下った先にあるスペースです。水場はありませんがフラットなので快適に眠れます。
布引山から伸びるフトオノ尾根に合流してしばらくで布引崩れの縁に出ます。布引崩れは奥沢谷の南の稲又谷に落ちる崩れです。ここで一気に展望が開けます。ここまで樹林帯の急登で喘ぎながら登ってきたので、かなりの気分転換です!
山頂の北にテントサイトがあります。地面がフラットでとてもいい天場です。天場ってテントを張るスペースってこと。この日は先客がいたので、少しテントをずらしていただいて、4人用のテントを張りました。
晩飯は、ジンギスカンとポテトサラダと白米を炊いた銀シャリ。フレーク飯を懐かしんでもらえるようマグロのフレーク缶詰も用意しました。Y大ワンダーフォーゲル部のOGも反応していただいてありがとうございました!
夜は、テントを揺さぶる風と、時折の雨だれで覚悟はしましたが(雨模様)、大したことはありませんでした。完全防備で出発しましたが、すぐにカッパをしまい快適な歩行。この写真は証拠写真です。なんの?もし布引山の天場がいっぱいだったとき、ここが使えます。標高約2500m、布引山と笊ヶ岳の最低鞍部(約2400m)そこから笊ヶ岳寄りに少し登ったところに平らなスペースがあります。
ここはテントを張ることが出来ます。使えます!
登るに従いすごい勢いで天候回復!正面のどっかとした山が布引山です。
笊ヶ岳山頂
いつも小笊に行くようにしていますが、今回は天候が急激に回復して、じっくりそれを堪能したいということで、山頂でどれだけ南アルプスのジャイアントが見れるか、雲の流れをみんなで見ていました。
登頂記念のオレンジのカット。
本当に山頂に長居をして、富士山と小笊のマッチングも楽しみました。
聖岳と上河内岳が雲の中。これは残念でした。全ての3000m峰が雲の中・・・
精一杯、山頂展望を楽しんだ後、笊ヶ岳を辞して布引山に戻ります。途中の樹林帯の残雪の様子です。
歩くことには問題ありません。アイゼンは全く必要ありません。そういえるには雪上歩行、キックスッテプがしっかり出来るということが絶対条件となります。もう一度言います。雪上歩行がしっかり出来ればアイゼンは全く必要ありません。逆に、この雪を利用すれば、水を下から担ぎ上げなくても、雪を溶かして水を作れます。あと10日ぐらいは持ちそうな感じです。
布引の山頂の南の布引崩れの上です。ここから怒涛の樹林帯の下りが始まります。この写真の山は、右端から稲又山、青崩山、青笹山、小河内岳、山伏。遠くに大無間山。
布引崩れの縁から、最後の大展望を堪能します。右から赤石岳、聖岳、上河内岳。
傾斜が強い分下りはとっても早いです。ただ強靭な脚力が必要かな。広河原の渡渉は、ほてった足のアイシングという意味でとっても気持ちいい!
トロッコ道の様子。
なんだかんだ言ってもとってもハードな笊ヶ岳です!
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