霊仙山りょうぜんざんは、鈴鹿山脈の一番北に位置する「花の百名山」の一つです。
琵琶湖と山頂部のカルスト地形。
近江カルストと呼ばれることもあるようです。
登山コースはいくつもあり、僕らは榑(くれ)ヶ畑コースから汗ふき峠へ。
石井登山教室実技「残雪の山を歩く」というテーマ。初めの予定は榑ヶ畑コースから山頂ピストンでしたが、参加者の方がお若いので、汗ふき峠までの歩きっぷりを見て作戦変更。峠から沢沿いを下って今畑コースを登り一周するルートにしました。
琵琶湖に流れ込む芹川源流の大洞谷に下ります。これどういう事かと言うと、霊仙山は山頂部分が広いので、それぞれの方向に尾根や谷が広がっています。その一つの登山ルートの尾根から別なルートに取り付くために一旦沢に下って、隣の尾根の末端に移動しているということです。なんだかややこしいですが、隣の尾根に取り付くために沢に下ったということです。
大洞谷の様子です。昔の仕事道で、道形ははっきりしています。それでも今にも朽ちて落ちそうな丸木橋。日本の里山そのものです。使われなくなった炭焼き釜の石積なんかも登場しました。
滋賀県犬上郡多賀町落合地区。今は廃村です。
同じく、今はもうだれも住んでいない今畑の集落の共同水源。県道17号を南東に下って登山口の表示がありしばらくの登りで廃村になった今畑の集落です。今でもたくさんの家が残っています。そのすべてが、人がその背中に背負って物資を運んだということがすごいと思いました。
今畑の集落にはたくさんのフクジュソウ。きれいでした。
霊仙山の山頂台地まで標高差800m、覚悟してコツコツ登って行ったときに偶然見つけたスハマソウ。今まで見た中で一番小さなかわいい雪割草でした。
不思議な色のオニシバリという灌木。
ここは標高差で300m、頑張らなければならない登り。スタートが笹峠と言われているようです。上りきったところが近江展望台。
近江展望台からの霊仙山の山頂台地。なんとなくプツプツしているのは全部石灰岩。雪は全くありませんでした。この時期にしては一番少ない雪なしの記録的な今年なんだと思います。交通情報で、関ヶ原の降雪はよく登場します。日本海側の気候と太平洋側の気候がぶつかり合うところなので、期間は短いにしても冬の環境が厳しいところです。
ネコノメソウ
石灰岩のカルスト地形は岩の表情がいろいろで面白いです。このエリアは浸食された石灰岩が尖っていました。
残雪を利用してキックステップの実践。基本の基の字の技術です。
浸食されてこんな形になった石灰岩。もっとスケールが大きいと鍾乳洞になるというイメージです。
霊仙山の山頂。二等三角点が設置されています。
なだらかな山頂台地の景色。
石灰岩は、今から2~3億年ほど前に当時の赤道付近の海でサンゴや有孔虫など炭酸カルシウムの殻を持つ生物が礁をつくり、それが地球の地殻プレートの移動と共に西方に移動して現在の日本列島付近の海溝へ沈み込み、大陸側のプレートに衝突・付加したと考えられています。
スキー場などの大規模開発がほとんど行われていないため、豊かな自然が残っています。比較的登りやすいなだらかな山であり、山体は石灰岩に覆われています。 カレンフェルト溝やドリーネすり鉢、石灰岩独特の地形を見ることができます。ゴルフ場のバンカーの様なドリーネの写真です。
スハマソウに出会えました。
スハマソウ(ユキワリソウ)雪割草(ユキワリソウ)の原種は、日本に自生する三角草(ミスミソウ)、大三角草(オオスミソウ)、洲浜草(スハマソウ)、毛洲浜草(ケスハマソウ)の4種だそうです。
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