2019年6月10日月曜日

佐武流山

白砂山から沖ノ西沢ノ頭三角点まで来てテントを張り泊まりました。陽が長くて助かります。登山道はないのでヘッドランプで行動とは行きません。明るくなって周りの様子がわからなくては行動できないからです。それでも午前4時には動き始められるというのは有り難い。佐武流山(さぶりゅうやま)に向かって北上です。


東の大黒山あたりから日の出。稜線の向こうは苗場スキー場です。


佐武流山に向かう尾根の右側は清津川、左は中津川。どちらも信濃川に流れます。中央分水嶺は白砂山の稜線で、北側は信濃川へ流れ日本海にそそぎ、南側は利根川から太平洋に流れるんです。そんな感覚好きです。


ガレと岩の沢を見下ろします。清津川の支流の赤樋沢です。ひどい崩壊地で尾根の東側は急傾斜のクズレ、西側は歩けたもんじゃないヤブ、ちょうどその間を行くのが一番楽でした。


残雪があれば利用します。締まった雪はとっても楽ちんに進めました。


残雪がなくなれば登場する笹。笹原はまだ可愛いもんだということがそのうち分かります。ネマガリタケが登場するとグーの根もでなくなります。


標高点2095m赤土居山というピークのあたりです。͡木の間に佐武流山が見えています。赤土居山の別名が赤樋山です。このピークの東が赤樋沢なので、赤樋山の方がしっくりくる印象です。ピークからしばらくは雪が使えました。


それまでのメインの植生が笹。赤樋山の下りの途中からいきなりネマガリタケの密林に変わりました。それでも次のピーク標高点2107mとのコルまでは下りなので何とか誤魔化せたのだけど、コルに近づくにつれ正面の登りのネマガリタケをどう克服するかという物凄いハードルが現れました。じっくり観察して、尾根の上を行くより雪を利用して雪が最短で繋がっていそうな斜面を利用しようという作戦。100m弱余分に下って、ダイレクトラインのネマガリタケをかわす残雪のルート取りという選択でした。


スカイラインに近い雪の斜面に向かってどう効率よくネマガリタケをかわすかというトライです。


イメージできます?こんなんに突っ込んだらとんでもないことになってやったら時間がかかります。体力の消耗も無視できないくらいのやぶ漕ぎ。


自由がきかないネマガリタケの密林。


ちょっと急な雪面だったけど作戦は大成功!標高点2107mに楽に登ることが出来ました。このセクションがネマガリタケとの格闘だったとしたら佐武流山に行くことは出来なかったと思います。このチョイス、今年が残雪が多いラストチャンスということの実践となりました。


 2017m標高点の続きは、雪がなくなったところもあったものの何とか繋がっていてどんどん進めました。


アイゼンはあった方がいいです。その方が負担が少ないです。ただラチェット式のものはイマイチです。やはりテープバンドでしっかり締めるタイプが良いです。


想定時間通りに着いた佐武流山山頂。


苗場山のたおやかな山頂。


左奥の三つの山、左から八海山、越後駒ケ岳、中ノ岳の越後三山です。手前は平標山や万太郎山で谷川岳はもっと右です。


こっちは一番奥の立派なピークが尾瀬の燧ケ岳、右が至仏山、至仏の下に谷川岳。


山頂を後にしてもまだまだ、今度は夕方までに野反湖に戻らなくてはなりません。ネマガリタケの植生の標高点2107mから赤樋山2095mまでのギャップ、帰りはよく観察してなるべく雪の斜面を利用して楽に登り返すことが出来ました。この時期にこんなことが出来るのは残雪が多いからでした。


沖ノ西沢ノ頭2036mでテントを回収して白砂山を目指します。途中も単純ではないもののいちどトレースしているので気が楽ですが、ここの150mの登り返しはちとつらい。


その登りが終われば後は残雪のハイウェーに乗っかって白砂山まで一直線って感じ。という気持ちなんですがなかなかでした。


ということで白砂山まで戻ったんですが、野反湖の駐車場まではしっかり3時間以上かかります。


シラビソ尾根の登山道から、一旦ハンノキ沢に下っての最後、茅ノ尾根登り返しがやっぱきつかったです。


夕方4時には野反湖に戻ったので12時間行動だったとなります。さらに3時間のドライブで山梨に。疲れたけど充実した狙い通りの山行でした。


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