2019年6月5日水曜日

小滝の沢

 沢登りを始めたい人のために比較的簡単で楽しめる沢はないか?地元でもそんなところがあれば良いと思って、今まで入ったことがなかった小滝の沢に行ってみました。小滝の沢は濁川(神宮川)の支流で左岸の最も下流の沢です。写真は白州町鳥原からの濁川流域の山々。右が雨乞岳で左は日向山。真ん中は駒薙の頭で、大岩山はちょっと奥で見えません。駒薙の頭に向かって伸びているのが濁川本谷です。


サントリーの工場が出来る1973年(昭和48年)までは、大雨の度に風化した花崗岩が上流から白濁して流れてくることから濁川だったのですが、1974年神宮川と改名された珍しい濁川です。濁川⇒神宮川、企業の都合で突拍子もなく改名させられたというわけでもない理由がありました。濁川の砂が明治神宮の参道に敷くために奉納されていたからでした。


小滝の沢に入って初めの小滝。小滝の沢なんてちょっとかわいい感じもしますが、これは濁川本流にある大滝に比較してのネーミングみたいです。決して小滝ではない立派な滝が登場しますが。


ラバーソールの沢靴で入ったんですが、ぬめりが気になったのでフエルトワラジをつけました。


里にも近いしとうぜん砂防堰堤が、とは思っていました。巻きます。


出合の先から延びている林道。堰堤を巻くために林道に出たのですが、この林道は地形図には書かれていませんでした。下から見えてどうせ廃林道だろうと思って出てみたら現役感満載の林道でした。


林道の終点まではすぐでした。山道が付いていて、そのまま歩いていくと砂防堰堤の巻きに梯子。


二俣があり、本流側の水の流れです。


25mのチムニー滝。ちょっとビックリするほどの滝でした。滝のスケールです。


全く下調べもしてなく遡行したわけです。地形図を見れば滝マークはしっかりありました。でもこんな絶望的な滝が登場することは想像していませんでした。登れないのでどう巻こうかと思案しながら手前の斜面を登りはじめました。


小尾根に乗っかったらなんと道!おまけにトラロープまで登場!


滝上まで最短のラインで整備されていて、これまたびっくり!


25ⅿチムニー滝の落ち口。


イワタバコが生き生きしてました。


進めば進むほど登場する人工物。


それにしても青々とした森。


なんなんだろう?的なものがたくさんありました。


見事に外れてしまったおいらの読み。奥の二俣的に沢が分かれたので、歩きやすい右の方に入ったら突然ヤマドリに攻撃されました。子育て中だったのでしょうか?母強し!


それまでの人工物がなくなったので、仕方なくという感じで左岸の尾根沿いに登りました。ヤマツツジが鮮やかでした。


チンバ沢の頭1458mとのコル。


標高点チンバ沢の頭。チンバ沢は小滝の沢と笹ノ沢(濁川の支流の名前)の間にある沢。


樹間から見えた水晶薙(すいしょうなぎ)。


奥の尾根と被っていてちょっとわかりにくいですが、東鬼の窓というコル。雨乞岳と駒薙の頭を結ぶ尾根上のコルで、江戸時代の地誌「甲斐国志」にも登場する東鬼の窓です。


チンバ沢の頭のコルまで戻って小滝の沢を下ってみることにしました。コルから東を見下ろした写真です。コルの西側は、笹の沢源流をトラバース気味に、最終的には水晶ナギまで続いています。正確には続いていました、ということなんですが、古い地形図には徒歩道の線が書かれています。今回はトレースしていないので今の様子はわかりません。


東に小滝の沢を下ってみるとはっきりしたマーキング。


古い梯子の跡もありました。


こんな石積みも。


登りで通った地点に戻りました。下山後しらべたらサントリーの水源の森ということでいろいろ整備されていたということがわかりました。サントリーのサイトでこのブログの写真と同じ場所が登場してました。
https://www.suntory.co.jp/whisky/hakushu/about/


はっきり言って沢登り初心者向きの沢ではありませんでしたが、林道と山道を利用して水晶ナギまで行ってみるなんてのは面白そうな山行になると思いました。地図読みです。


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