これは昇仙峡です。中津森は昇仙峡の奥にあります。
今年は4月に入って、天気図に前線がなくならないくらい天候不順・・・なのにこの日だけ高気圧におおわれました!晴れ男と一緒だったのかな!
下の写真は荒川ダムの能泉湖から見た中津森です。奥のどっしり構えた山です。なんかモリモリしていて、まるで生き物のように動きだしそうなこのドッシリ感が大好きです。が、登山道はありません。この山頂1475mに登るための可能性のあるラインは三つ。山の南にある板敷渓谷に入って枝尾根を攻めるか?山頂から北西に延びる尾根を攻めるか?そして僕がいつも選択するのが、山梨県道112号川窪猪狩線(やまなしけんどう112ごう かわくぼいかりせん)の中津森隧道脇から登るもの。これは、この県道が出来る前からあったか細い仕事道に、最短で登るものです。ちなみにこのロックフィルダム、荒川ダムが出来たのは今から約30年前。
登り口と下山口が違います。約6㎞離れています.。下山口に車をデポすることからの始まり。車を出していただいたYさん、ありがとうございました!ここは昔、黒平小学校だった跡地です。
中津森隧道に戻ってきました。
地図読み講習なんですが、このセクション、地形図は当てになりません。地形をどうやって克服するかという問題になります。言葉にすると、ルート取りということかな?クライミングでもありません。なんたって、相手はルーズな岩と泥と枯れ葉・・・ちょこっとある木がビレーポイントなんです・・・やっぱその辺の判断は、外岩の体験とか、沢登りの経験がなければ自分では判断できないかも知れません。この日は、前日までの雨で最悪のコンディションでした。いつもよりむずかった・・・
騙しながら、最低限のギア、ロープは8mm×30m、あとはシュリンゲと数枚のカラビナ、木と根っこのビレー点、落石には神経使います。こんなことどこの教科書にも書いていません・・・
南西に延びた尾根は、はじめ急傾斜で、1200m周辺までは怒涛の登りです!途中、1100m周辺手前には特徴的な地形があります。岬状に延びた等高線。この尾根を登る時に出くわす特徴的な地形は、僕の地図読みではしょっちゅう出てきます。
実はこの山、熊の痕跡がとてつもなくあります···熊棚(ミズナラなどの樹上で、熊が食事をした後)なんてうじゃうじゃ出てきます!
中津森山頂。
中津森山頂から御巣鷹山までが読図のセクションになります。コンパスに記憶させたり、実際の地形を見ながら軌道修正したり、読図のエッセンスがぎっしり詰まっています!
2年ぶりにここにきて、なんてこったの事態!一番気持ちいいコルに林道開通・・・ショックです。
ここ、水場です。特徴的な地形ですが、水場があるかどうかという判断はとっても難しいです。
かなり内緒の話ですが、下の何気ない写真、『甲斐国史』にも登場する、江戸時代の水晶を採掘した坑道跡だと思われる場所。
御巣鷹山三角点1522m
道の無い山中でとても大事な三角点です。情報をインプット出来ます。外してはいけません!
そして、読図ではないルート取りが始まる御巣鷹山からの下り。地図読みで勘違いしてはならないのが、地形図とベースプレートコンパスがあれば何でも山の中で理解できると思ってはいけないということです。地形図は限界があります。地形図で読み切れない、または地形図を読むのにかなりエネルギーが必要になる、そんな時は、実際の地形を見ながらルート取りを判断しなければなりません。付け焼き刃では何ともなりません。すべては努力と経験です。でもそこが面白いんですが!
まだトレースしていない御巣鷹山西尾根の、花崗岩の岩岩。
春ですね!ハシリドコロの蕾。
降り立った沢筋には、無数の炭焼き窯の跡。どれも立派なもので、ここに山仕事でたくさんの人が入っていたころはさしずめ、製炭工場工業団地という様相だったのかもしれません。
来年には無いかも知れない橋。
荒川の本谷。なんとか靴を脱がずに渡れました。
車のデポ地に向かっての登りの途中。ヌタバには無数のヒキガエル。産卵の瞬間。これでもかって感じの命の息吹!
帰りにマウントピア黒平によって、藤原さんにご挨拶。湯盛りうどんをごちそうになりました。
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