2015年4月6日月曜日

茅ヶ岳地図読み

なたね梅雨のような毎日。お天気ばかりはコントロールできません。

勝手知ったる茅ヶ岳、ではありますが、なんだか特別な茅ヶ岳になった日でした。というのもすっごく真面目なリクエストをいただいたのでした。仲間と一緒に地図読みが出来る登山者になりたい!というもの。パーティーで山に登る場合一番弱い人にペースを合わせます。技術や知識を共有して登山を楽しみたいというお友達パーティーです。皆さん前向きな姿勢がすばらしかった!

そのリクエストに応えるべく僕が考えたのが、スピーディーに机上講習をやって、それに基づいて地形図と実際の地形との確認をしながら登山も楽しむ。とにかく現在地の把握と先読みの繰り返しです。茅ヶ岳の女岩コースですから、地図なんか見なくても迷うことなく登って下れると多くの方は思うかもしれません。でも、あえて地図読みをするトレーニング。いつもはやぶ山でやっている地図読みも、一般道でやる方が不安な要素も減るんじゃないかとも考えました。やぶ山を歩いたことがない人は、登山道がないということに対する不安があって、地図読みに集中できないんじゃないかと。茅ヶ岳を選んだ理由は、机上講習で時間を奪われても十分ピークハント出来る半日コースで、尾根と谷がはっきりしていて理解しやすいこと。おまけで、登山道を外れて、自分でルート設定するのにちょうどいいでこぼこした地形が駐車場近くにあるという理由です。

大明神駐車場

女岩までで確実に現在地が確認できるポイントは、駐車場から西に進んで直角に右に曲がるところ、沢地形を右岸から左岸に渡るクランク、林道前山大明神線を横切るところなどです。女岩の同定はちょっと難しくて、高度計の助けがあると楽です。基本稜線に上がるまでは沢地形を進むのですが、等高線が均一で特徴がないことから女岩の同定が難しいのです。女岩周辺は少し平らになっていますから、地形図の等高線の広がりで確認できます。女岩は水こそ流れていませんが、沢地形の中にある滝です。


山梨県ナンバーワンと言われる大福、いつも出てくるとは限りません・・・


ふかふか

女岩から稜線に向けての登り始めは、岩がごろごろしていて傾斜もあるので危険です。その悪場を過ぎてもまだ沢地形です。今回この初心者向けのルートで地図読みをしたので、今まで気づかなかった地形の特徴を発見しました。ちょっとオーバーですが・・・急斜面が終わると上の写真の落ち葉の堆積した緩やかな登りになり、やがて沢地形を綴れ折りに登るのですが、左側に小さな尾根が主稜線から分かれているのです。女岩があるのが本流で、主稜線手前は本流から枝別れした支流を詰める感じということになります。


稜線に出ました。コルです。地図読み解説をしながら登ってきたので、いつもの茅ヶ岳じゃないみたいに思えました。


深田久弥終焉の地

ツエルトは有効ですよ、と説明するために張ってみました。


天気が回復しました。


山頂で遅い昼食のあとは、どんどん下って林道前山大明神線。登山道はそのまま沢地形を下っていきますが、西側の尾根を下っていただきました。2万5千図は「茅ヶ岳」です。いくつかの小ピークのつながりがあり、曲がり角の連続です。最後に三角点、点名「饅頭峠」があるのも好都合。地形図と実際の地形を見比べて、自分が進むべき方向、地形図が表現できないこと、スタート地点で現在地を確認してコンパスに記憶させてっていう流れ。
出発の合図は~やぶ山三ちゃんを饅頭峠の三角点に連れてって!~でした。僕は最後尾を行きます。先頭を歩くということはとても重要だからです。


点名「饅頭峠」の点の記
下調べの段階で、国土地理院のサイトを見たら点の記があったので、プリントしておいたのに、持って行くのを忘れてしまった…のでここでご覧ください。剣岳点の記で有名な点の記です。
点の記(てんのき)とは、基準点(三角点・水準点・基準多角点など)の設置・測量の記録のこと。


饅頭峠探検隊が行く!って感じです。ここは僕も始めて歩きました。勝手に登山道はないと思っていたのですが、残念ながらはっきりしたトレースがありました。ごめんなさい。


三角点饅頭峠


最後の課題は饅頭峠から深田公園の石碑に繋ぐことでした。地図を見ると饅頭峠の一つ手前のピークから伸びた尾根の末端に石碑があることがわかります。そのピークに行く方法として手前の鞍部からけもの道を使ってトラバースするということを選択しました。実際にけもの道を歩くなんてドキドキした方もいたかも!?


どんぴしゃ!深田公園の石碑


やぶ山三ちゃんの地図読みを詳しく書いてみました。
皆さんも地図が読める登山者になりませんか!

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