大唐松山は農鳥岳の東にあります。通常は単独でとらえるということはなく、東農鳥から派生している長大な尾根上の単なるピークというとらえ方です。三角点の標高は2555.1m。大唐松尾根を縦走して東農鳥岳に行くというのが一般的だと思います。今回は大唐松の山頂を目指しました。
早川町奈良田の開運トンネルです。トンネルの手前で早川に合流する広河内は、農鳥岳への登山道があります。大門沢小屋がある険しい登山道です。大唐松尾根の取付きは、広河内に入ってすぐのゲートを過ぎて右にある山の神の石祠が入り口です。
奈良田第一発電所に水を送る送水管。この施設の巡視路を使って尾根に取り付きます。
その上の送電線。地形図に送電線の鉄塔は表現されていません。送電線は表現されています。その地形図上の送電線が曲がっているところです。送電線が曲がっているところには必ず鉄塔があります。それを言いたくて撮った写真です。自分の現在位置がわかるということです。
早川の流れ。取付きから200mくらい標高を稼ぎました。
大唐松山山頂までに出くわす悪場は2ヶ所。初めの悪場です。標高1100mから1300mの傾斜の落ちるところまでが非常に悪いです。たとえて言うなら、ストックが邪魔になる傾斜ということです。トラバースメインというのもいやらしいです。もう一つは山頂直下の250mの登りです。
最初の悪場を過ぎると、尾根がやせたところもありますが楽に登れます。基本読図ができてという前提です。
雨池山の三角点。
やぶ山で尾根を登るのはそんなに難しくはありません。高みを目指せばいいわけですから。でも、途中ではっきりしたピークなんかが出て来た時はちょっと注意が必要です。自分が行きたい方向を地形図で確認しなくてはなりません。現在位置がわかっていないと次への展開もできません。雨池山の西側もそんな感じです。三角点からちょっと西に行って、次に北に方向をとりますが、こんな感じにわかりやすい切り開きになっていました。手前の石は、林班の境界の目印です。
1934m標高点の下に絶好のテントサイトがありました。午後も早い時間でしたが、ここに泊まろう、明日、軽い荷物でアッタクしようとなりました。泊り前提だったので、背中の荷物が重い1日でした。
泊まること、あらゆることをなるべく快適にしたいというのが本音。ここのところ、軽くて快適に山での夜を過ごしたいと、いろいろトライしています。ツエルト泊で問題になる結露、建築資材のタイベックを使えばいいかも?とアドバイスをくれた甲府のSUNDAYの石川さん、加工もしていただいて、今回の山行で使ってみたツエルトのフライ。とてもよかったです!
フライの片側はそのまま傾斜をつけて、もう片側はフラットに。フラットのほうは雨宿りできるくらいの空間を作り出してくれました。
うれしいこと。今回で3回目、やぶ山をご一緒いただいている方からのプレゼント!手作りの箸です。むちゃくちゃ凝っていて、3段階に伸びて縮んでという感じで、おしゃれな箸をいただきました!
適度なアルコールと、山梨なので、おほうとうの晩飯。ほうとうではありません、おほうとうです。
翌朝は暗いうちから行動しました。登山道のないエリアで真っ暗な中を進むのは結構難しいです。月明りでもあればまた違った感じになるのでしょうが、真剣に進みました。こんなマーキングをヘッドランプの明かりで見つけた時は嬉しかったりしました。自分の読図が暗闇の中で百点満点!と言われた気分でした。
白んできた空。
どんどん明るくなった空。ダケカンバが勢いよく青空に伸びています。好きだな~この感じ。
2つ目の核心、大唐松山の最後の250mの登り。万が一の時のために使ったショートロープ。
とてもきれいだった雲海。右から笹山、大無間、笊ヶ岳。
目的の大唐松の三角点。展望のない山頂です。
展望を求めて、なんとか撮った北岳と間ノ岳のツーショット。標高第2位と3位の山です。
帰りに撮った、標高差250mの大唐松山の最後の登り。
標高2270mくらいにあった、巨大なヌタバ。
登山道のないところを歩くときに参考にしてほしいシーン。こんな何気ない人の痕跡(ノコギリで枝を切っている跡)こんな痕跡が容易にわかるようになると歩きやすいところを自分でチョイスできます。
樹間のの向こうに農鳥岳と大唐松山が見えました。
標高1300mの下の厳しいセクションの下り。ここもロープを使いました。
送水管を過ぎると、とても安心の道になります。手すりが設置されていて安心です。
山の神まで戻ってきて、 本当にほっとします。
厳しい山でした。けがもなく無事に下山できて、本当に感謝です。
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