どこかあんまり難しくないところで地図読みって出来ませんか?そんな感じで始まった山行でした。
写真は北杜市白州町台ヶ原の西の農道から見た南アルプスの山なみです。国道20号から西に折れてこの道に入ると歓声が上がります。そんな景色です。
地図読みです。磁北線を引いた地形図で現在位置を確認して、先読みをします。とりあえず1221.2mの三角点、点名「田沢川」まで行けば確実に現在地を確認できるわけです。手前の1034m標高点からアプローチ。
ずいぶん前からある手作りの捕獲檻。1034mピークの西のコルにあります。写真ではよくわかりませんが、昔の仕事道の道形がこの辺からはっきり登場します。
三角点「田沢川」の柱石。横の杭には二等三角点と書いてあったのですが、国土地理院の基準点閲覧サービスで調べてみると、四等三角点でした。どうりで柱石が小さいサイズ。
三角点の横には山の神の石祠。屋根の部分の方向がちょっとおかしいです。
青空に映える紅葉。
三角点の先のアップダウンはちょっと険しいです。そのことは地形図では読み取れません。表現されていないんです。急な下りと岩と木の根が露出した急登。地形図が表現できないのは標高差がないから。つまり短いんです。以前冬に来たときは、ここで軽アイゼンを出したりもしました。
今回ふと気が付いた、尾根の北側斜面の道形。手前から右上に緩やかに登っていく様子がわかります。昔の仕事道です。もちろんこれを利用しました。自分が今どこにいて、どんな地形でどこを目指すのかがわかっていれば、一番歩きやすいところを歩きます。
標高1500m周辺。この辺は実際の地形と地形図とをよ~くにらめっこしてください。傾斜がなくなって、小さな尾根と沢が交互に登場します。こういうところで地形図と実際の地形を見比べると地図読みの力がぐっとアップします。日向山の山頂が1660mなので、もうだいぶ近いところです。
ここでも大歓声が上がります。森の中からのいきなりの解放感!八ヶ岳が真正面です。
白砂の丘のようなところのすぐ横、神宮川の支流の日向沢は崩壊が激しい荒々しい景観です。それも魅力なんですけどね。
森の中からの解放感と、白砂の丘と風化した花崗岩。単純に初心者の山とかたずけられない日向山の魅力です。1時間半あれば登れてしまうので、初心者の山となってしまうのですが、地図を読みながら、登山道のないルートを登るとその魅力も倍増します。
倒木も素敵に見えてしまいます。
暖かく風もない日。汗をかいて登りましたが、季節は確実に進んでいます。
この尾根のことは以前もブログ記事にしました。今回も新たな指導票を発見。登山道として利用されていた時期もあったのかもしれません。そんなに古い時代ではない感じでした。
帰りは現在位置を確かめながら、昔の仕事道を忠実に下ってみました。このあたりの石で築かれた炭焼釜の跡にも出くわしました。
これ、昔の仕事道のわだちです。この昔の仕事道は、この写真のすぐ下で林道に削られて跡形もありませんでした。
地図読みの面白さがよくわかるルートです。
地図が読めるということは、自分がどこにいてどこに向かうのか、山との対話という意味もあります。単純にガイドブックや道標に頼らない、高度な山登りの楽しみ方です。
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