僕は静岡山岳自然ガイド協会所属です。50人を超えるガイドが所属している日本山岳ガイド協会の下部組織です。それぞれのガイドのスキルアップを目的に、月一でいろんな研修が行われます。ここのところ5月はやぶ山三ちゃんの読図ということになってます。毎年のことだとどんな内容にしようかと少々悩むんですが、もともと地図読みは、だいたいこれを伝えれば誰でもスキルアップ間違いなしということはないので(本人の努力、学ぶ意欲がないと前に進めません)、普段の地図読み講習の内容そのままやってみました。まずは尾根と谷の塗り絵です。地形図の尾根は赤。谷は青に線を入れていただきました。
尾根と谷に大小ふくめ塗り絵で線を書きます。等高線の特徴がわかるところにナンバリング。ナンバーが現場で共有されるとわかりやすいからです。半分近くは登山道をトレースしますが、あくまで地形を見ながらオリジナルのラインで茅ヶ岳に登るという狙いです。
茅ヶ岳と金ヶ岳の間の沢をつめます。この沢は下流で栃沢川という名前のようです。水も流れていないし、茅ヶ岳と金ヶ岳の最低鞍部のコルまでは標高差約450mです。大明神からの女岩の一般的な登山道の山頂までの標高差は約750m。コルから山頂までの100mを足してもこちらの方が近いです。
歩き始めてしばらくして登場する石積み。当然古い道の上を歩いているわけですが、気が付かない人もいると思います。こういうのは独特の感覚が必要ですから。里山は想像も出来ないくらい人が入っていた証の石積みです。
等高線4~5本分の小尾根が登場します。前後の斜面に変化がないので、この程度のふくらみで自分のいる場所が地形図上で確認できます。見落としてはいけない地形です。
2~3の枝沢の合流で現在地を確認しながら最後の斜面に取りつきました。
コルに着きました。新緑が始まったことと、ガスで見通しが利かなかったことでわかりにくい地形読みの日でした。
茅ヶ岳山頂
山頂から千本桜ルートを下り、机と呼ばれる傾斜の変化が少ない(地形図上では)ところです。それでも細かなアップダウンを歩いていると、一瞬ガスが取れてやぶ尾根の始まりのピークが見えました。
写真だけだとわかりづらいので地図で示します。赤い小さな丸が分岐点。地図の徒歩線は実際にはもう少し西で南西に曲がります。フリーハンドで書いた大きな丸は、すごく細長くのびている等高線に注目ということです。細長く伸びた等高線の東側に長々と岩マークが見えます。細長く伸びた等高線に岩マークはありませんが、下の等高線の並びはとても狭いです。
その細長く伸びた等高線の写真です。痩せた尾根だし、岩が登場します。東の岩マークの延長にこの尾根があるということだと思います。
細長く伸びた等高線の先端のピークは、いくつもの尾根が集合しているピークです。等高線の間隔から一番右の尾根を選択。標高差約200mで先ほどの沢に降り立ちました。
移動して大明神の深田公園の西で地図読み。饅頭峠の三角点。
深田公園の石碑。「百の頂に百の喜びあり」というやつです。
饅頭峠三角点ピークと北の小ピークの間のコルでコンパスを合わせます。合わせるのは深田久弥の石碑。コルから等高線7本分下った林道の分岐に石碑が丁度あって、正確に地図読みすればドンピシャで石碑に行けるというゲームで終わりました。
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