3000m峰、日本百名山の塩見岳です。南アルプスのだいたい真ん中、尖った特徴的な山頂が東側から見ても、西側からでもよくわかる山です。今は一般登山道が長野県の大鹿村、鳥倉林道からのものが唯一のルートです。険しいルートではありませんが長いです。とっても長いです。甲府の老舗アウトドアショップのエルクさんのツアーでした。
7月に台風接近で流れて敷居直しの今回でした。鳥倉林道のゲートから林道を1時間弱歩いて登山口です。
登山口から緩やかな登山道を登って三伏峠からの尾根に乗っかるポイント。反対の谷が見えることと、森林の境界を示す宮標石がある場所なので分かると思います。地図読みってわけではなかったけど(地図は出しません。)、尾根の上の意味を何度も説明しました。
倒木による登山道の崩壊場所。
尾根に上がってからそのまま尾根の上を行くわけではなく、尾根の北側をトラバースして行く登山道です。いくつかある現地調達の橋は要注意です。微妙に古いのと(整備の手は入っているのですが)、濡れていると滑りやすい非常に神経を使う登山道です。
登山道は今年続いた台風の影響がそれほどあったとは思えませんが、それでもこんな倒木は普通に登場しました。やっぱ登山道ってこんなもんです。
途中の水場は貴重な水場、三伏峠に水場はありません。峠の水場は往復30分以上。
神経を使う尾根の北側のトラバース道の最後にこんなお知らせ。200っ歩って…
三伏小屋はもう小屋じまいでした。冬季小屋が解放されていました。南アルプスの小屋はだいたい冬季開放スペースがあります。来季のオープンまで9か月もあるわけです。
まだ快適なテン場。
峠からひと登りで三伏山。ちょうどガスが晴れてはるか遠くの塩見岳が顔を出してくれました。
倒木に困ることはありませんが、足元の水たまりに難儀しました。どんどん進みます。
飯田地方の方言でしょうか?「小屋は、じきかやぁ いいねあと40分だに ⇒小屋はもうじきかな?いいや、あと40分だよ」ということでしょうか。
遠くから黄色のテントでも張られているのかな?と見えた黄色い色はダケカンバでした。
三峰川大曲からの登山道は今でも通れないということでした。
大好きな景色です。晴れていなくてもハイマツ帯の下のダケカンバの樹々が見えたからです。垂直分布の見本のような景色。葉っぱが落ちたあとでもとってもきれいです。
塩見小屋に着きました。
2年前に建て替えられた新しい小屋。小さな小屋です。色々独特な小屋です。
トイレはこの袋。女性には3枚、男性には1枚、それ以上に必要な場合は一枚200円で購入というシステムです。独特です。
夕方西の空が輝きました。防寒着を着てしばらく眺めていました。気温は5℃くらいだったでしょう。
塩見小屋の夕食。
小屋から往復3時間くらいの塩見岳山頂でした。しかし芳しくない天気予報通りの天気。
完全装備で歩いていると、一輪のイワギキョウ。ピンボケですね。
登るにつれて雪。
雪の天候条件でなければ山頂にと思っていましたが、どうにも帰りのこともあるし、塩見小屋から長い下りが待っているということで敗退でした。山は逃げませんから。晴れていればあと15分くらいで山頂にという地点でした。
登るより下るほうがずっと難しくなります。ロープを出しました。万が一に備えてです。
何とか三伏峠まで戻り、温かいみそ汁やコーヒーで暖まったお昼。
まったく展望のない中での下山でした。雨はやんでも気温は上がらないので寒かった。
北側の尾根のトラバースの登山道は厳しいかったです。
宮標石。ここから鳥倉林道に下りますが、危険地帯は終わりということで緊張はゆるみます。いい意味です。
カラマツの植林地まで下って太陽の光にありつけほっとしました。
あとは林道を下るだけ。谷を隔てて小日影山が見えました。対岸の尾根の様子がよく分かったんでその様子を説明しました。それは3年前に登ったやぶ山三ちゃんの世界でした。
鳥倉林道の紅葉。
鳥倉林道を下って絶対に寄りたい場所。1892年(明治25年)日本山岳登山の父といわれる英国人、ウォルター・ウェストンがここから赤石岳に登ったことを示す石碑です。
たくさんの場所にあるウォルター・ウェストンの足跡。いわれのある場所は地域おこしの意味もあって何らかのものを残しています。小渋川もそんなに滅多に来る場所ではないので、是非とも立ち寄りたい場所です。
雨がやんでも、なかなかスッキリした空にはなりませんでしたが、なんと赤石岳が顔を出してくれました。こういう展開は、山が僕らを歓迎してくれている感じです。雪で敗退した塩見岳でしたが、山は逃げないのでまた来いよということだと思いました。
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