2016年4月3日日曜日

カイコバイモ

静岡山岳自然ガイド協会の総会の翌日は研修。古道歩きをからめた御坂山地。静岡から山梨に戻ってきました。桜をはじめ一斉に花々が咲き始め、百花繚乱!これはスモモの花です。農家さん、大忙しだと思います。花見なんてのんきなこと言ってられません、受粉作業をこなさないと!


ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)、たくさん咲いていました。「深山延齢草」です。昔は食べ過ぎや食あたりになった人に根を煎じて飲ませたらしく、命拾いするから「延齢草」だとの説があります。


主役登場です。『カイコバイモ』 漢字にすれば、甲斐小貝母かいこばいも。甲斐かいは山梨県、山梨に多かったのか、名前を付けるときのきっかけの場所が山梨だったのか?小こは小さいということ、貝母ばいもはバイモ属。バイモ属の花は、球根が二枚貝に似ていることからのネーミング。ラテン語Fritillaria kaiensis Naruh.の語源は「サイコロを入れる筒」。花の形が筒状をしていることに由来しています。


この花、希少野生動植物(レッドデータブック)のうち特に保護が必要な種ということで、『指定希少野生動植物』に指定されています。


小貝母コバイモの仲間、いろんな地域の名前が冠付けられますが、越の小貝母コシノコバイモ、美濃小貝母ミノコバイモ、甲斐小貝母カイコバイモのコバイモ三姉妹という風に位置付けられています。山梨で確認できるのは、カイコバイモということだと思います。この花、むちゃくちゃ地味で小さくて、探そうと思って探さないと出会えない花です。


指定希少野生動植物に指定されたカイコバイモは、捕獲、採取、殺傷又は破損させることは禁止され、違反した場合には罰則が科せられます。


指定希少野生動植物に指定されたカイコバイモは、生きている個体(卵・種子)の捕獲等の禁止、
違法捕獲個体(加工品)の譲渡等の禁止、学術研究、繁殖目的のための捕獲等は許可が必要。ということです。これお役所言葉ですからね!


罰則規定の内容は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金ということです。


武田菱の彫られた石祠。武田が特別な存在だったことを示す証。
里山の面白さを堪能したガイド山行でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿