2017年1月16日月曜日

アイゼン

冬山に登るために必要な装備のひとつ、アイゼンの話です。僕がアイスクライミングや冬の岩登り(あまりやりませんが)以外、普通に雪山を歩く時に使っているアイゼンは、ブラックダイヤモンド(BD)のコンタクトストラップという10本爪のバンド一本で締めるアイゼンです。使い始めて7年目でしょうか。アイゼンは踵のバックルを押さえるだけでワンタッチで装着できるものがお勧めです。寒い山の中で簡単に装着できるからです。僕がワンタッチではなくバンドタイプにしている理由は、アイゼンを貸すことがあり、ワンタッチアイゼンは靴の形状で装着できない場合があるからです。とても気に入っていますが、バンドが切れかかっているところがあってバンドを交換しました。アイゼンの爪の先端も丸みを帯びてきたので削ることにしました。下の写真の右は摩耗した爪と左はヤスリをかけた爪の違いです。


これも道具の手入れという事になります。万力という道具でアイゼンを固定して削ってもいいのですが、アイゼン自体形状が複雑なのでそれも難しいので、左手でアイゼンを押し付けて削った方がやりやすかったりします。(僕は右利きです)ここでは木にアイゼンを押し付けています。左手が万力の役目をしています。


注意すると言えばアイゼンの爪の付け根からヤスリをかけるということです。先端だけ尖らしてもすぐに丸くなってしまいます。アイゼンは雪や氷の上だけを歩くわけではなく、結構岩の上でも使います。岩が相手だと金属はすぐに摩耗します。


使うのは金属加工用のインチヤスリ。ヤスリ目の粗さで中目、細目、油目と細かくなっていきます。荒いほうが早く削れますが、削った面が荒れるので最後は油目の粗さのヤスリをかけます。写真のヤスリ、左が細目、右が油目のヤスリです。


僕はガイドの仕事をする前は、貴金属加工の仕事をしていました。平べったい地金をたたいたり丸めたりくっつけたりしながら宝飾品を作ってました。写真の右はデザイン画です。この絵を基に作ったサンゴのプラチナのペンダントが左です。
道具に手を加えるのは中々勇気がいることです。第一めんどくさいし・・・今回灯台下暗しって感じだったのは、中々億劫で手が出なかったアイゼンのヤスリがけ、よく考えてみたら、金やプラチナを削るよりステンレスのアイゼンを削る方が簡単だと思ったのでした。宝飾品を作っていた経験が生きました。


切れそうなバンドの写真。こういうのははっきり言ってやばいですよね。ちゃんとチェックしないで、力強くバンドを締めて、ある日突然ブチっていう日が来るわけです。気付いてよかった!


甲府のエルクに問い合わせて、バンドをパーツとして取り寄せていただきました。1,000円くらいでした。ただ、カタログや輸入代理店のロストアローのHPには登場しないパーツでした。こんな時、地元に信頼置けるショップがあるという事は有難いです。大いに利用してください!


購入時はバンドの始まりのところは縫ってありました。ミシンがないと交換できないの?と思っていたら、台形のプラスチックのパーツ入り。


古い切れそうなバンドをハサミでちょん切って、プラスチックの調整可能なパーツを通して復活したアイゼンです。爪もしっかりシャープにしました。これで安心して雪山で使えます!


僕はヤスリがけがしっかりできるので、まあるい爪でアイゼンがクラストした雪面に刺さらないまま使っている方危ないですよ!5~7千円で承ります。アイゼンのヤスリがけです。どうぞお問い合わせください!こちら

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