2017年1月29日日曜日

富山

 富山(とみさん)です。富山三山(とみやまさんざん)と言われます。・富山350m・御殿山364m・伊予ヶ岳337mで三山です。写真は富山(とみさん)登山口の福満寺山門。トイレがあります。駐車場は500mくらい海側に戻った場所にあります。歩き始めからいきなりの急坂がはじまります。


福満寺から東に登る尾根を行き、富山南峰を目指しました。234mの標高点あたりは畑として耕作されていたようで、そこに至る仕事道を利用した登山道でした。


234mの標高点から一旦コルに下り、富山南峰の急登となります。地形図だけ見ていて、けっこう急だろうな?と想像していましたが、しっかり整備された道でした。


富山南峰の観音堂。だいぶ疲れた感じの観音堂でしたが、富山南峰は観音峰とも呼ばれます。


南峰と北峰の間にある展望台。江戸時代の滝澤馬琴の読み物「南総里見八犬伝」の舞台の富山です。物語の主要な登場人物の、伏姫と八房が住んでいたとされる「伏姫籠窟」という洞穴が、山中の西面の林道沿いにあるそうなんですが、今回はパスしました。とみやま三山を踏破しようと考えていたからでした。


展望台から見えた町と岩井海岸と相模灘。


富山とみさん北峰の三角点。


富山とみさん北峰の広場と展望台。皇太子殿下も登った山で、そのことにまつわる諸々がありました。



冷たい空気に覆われた日本列島、温暖な房総の山も一時雪が舞いました。前線の通過した後はさすがに風も弱くなり、ポカポカの春のような陽気になったのでした。


驚いたことにタチツボスミレが咲いていました!割と地味な感じの富山とみさんですが、山梨では出会うことがない目につく植物について、僕なりに調べてみました。


葉っぱの付け根から鋭いトゲがあるアリドオシです。アリドオシの名前は、このトゲが蟻をも突き通すというもの。有名な語呂合わせ、「千両,万両,有り通し」の有り通しアリドオシです。言い換えれば「金は、千両も 万両も一年中あるよ(有り通し)」ということで、なんとも縁起のいいアリドオシです。センリョウ、マンリョウもあったようですが、写真に撮っていませんでした。


マメヅタという羊歯(シダ)植物です。ここ房総半島のみならず、先日訪ねた沼津アルプスでもたくさん見られました。形と名前と、な~んだそのまんまじゃんと思いました。


アザミはたくさん種類があるので同定が難しい植物です。それでも、鋭いトゲと色模様がとても目立っていました。アズマヤマアザミ 東山薊だと思います。


たくさん見られたこの葉っぱ、同定するのに本当に苦労しました・・・「キッコウハグマ」です。漢字で書くと「亀甲白熊」。亀甲きっこうは、五角形にも見える葉をカメの甲羅に見立てたもの。白熊は「はぐま」でシロクマではありません。払子(ほっす)と呼ばれる法具(僧侶が使う道具)で、インドで蠅や蚊を払いのけるために使われている道具と、白い花の様子が似ていることからついた名前だそうです。キッコウハグマ以外にも○○ハグマという種類があるようです。奥深い野草の世界です。


これは比較的簡単、冬に地味な花が咲くカンアオイです。


葉脈が白っぽい全縁の葉っぱ、これが一番同定に苦労しました。「テイカカズラ」です。漢字にすると「定家葛」。鎌倉時代の有名な歌人藤原定家にちなんだ命名であるというのが一般的になっています。この蔓系の植物、ややこしいのが、下生え状態(写真の状態)と成長して花を咲かせる時で葉っぱががまるで違うという事です。写真の状態から成長して、絡みつく対象となる樹を見つけると、葉脈の白さはなくなり、葉っぱの大きさも倍以上になって白い花を咲かせます。
周りの細長い葉っぱは、リュウノヒゲと呼ばれる、となりのトトロに登場する野草の、「ナガバジャノヒゲ 長葉蛇の髭」です。


ハランです。漢字で葉蘭。ユリ科でラン科ではありません。鋸山にもたくさん見かけました。この植物が有名なのはお弁当です。お弁当の中に入っている、プラスチックのミドリの葉っぱに見立てたバラン(なぜか、ハランではなくバランと呼ばれていますが)。元々は生のハランを使っていたのでした。


本当の主役はスイセンでした。まだ少し残ってはいたものの、今年は開花するのがとても速かったそうです。ほとんど終わっていました。


伊予ヶ岳の途中から見た富山とみさんです。右が三角点のある北峰、左が南峰。


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