鹿の子池から水無峠山に登り、山梨静岡の県境の尾根を三ノ沢山、青枯山と北上しました。展望の利かない尾根ですが、それでもところどころ見晴らしのいいところがあります。木々の間から青空が抜けていて日影沢崩に着いたと、やや気持ちが高ぶりました。
青笹山2209.1m手前の日影沢崩からは大展望が広がります。目指す青薙山が手前に一番大きな存在感で、左奥に台形の聖岳が見えています。
富士山も見えます。ここはテントを張るスペースもあります。
大展望をゆっくり楽しんだ後は青笹山を目指します。針葉樹の尾根に入る前の笹原、トレースなのか鹿道なのかわからない感じですが、とにかく気持ちのいい稜線です。
ほぼこんな感じの尾根道です。等高線が広がっているところは多重山稜になっていることが多いのでルート取りに神経を使います。少しでも無駄なく歩きたいからです。
青笹山。青笹山単独で考えるというより、山伏から比較的楽にピストン出来る山頂と、とらえる登山者が多いのだと思います。トレースとマーキングがそれを物語っています。山伏から青笹山までと、青笹山から先の北とではマーキングが全く違います。青笹山から北の尾根には極端にマーキングがなくなります。青笹山手前と比べ入山者が減るということだと思います。
県境の尾根を歩くと現れる早川町のプレート。
八汐崩と富士山。谷は山梨県早川町の稲又谷です。
青という文字がやたら多いこの山域の山の名前、こんな笹原からのイメージでしょう。
板取山2059m。北に延びる尾根に入ってはいけない山頂です。尾根は左に曲がるという山頂です。
小笹平に着きました。
背の低いことが名前通りの笹、小笹が広がる気持ちのいいコルです。
ここで水を補給です。実際行ってみないとわからないのですが、笹原を下った谷底ともいえるが所に水場です。15~20分で往復できます。
V字の谷に降りると豊富に水が噴き出しています。枯れる感じではありません。
ずっしり重くなったのは仕方ありません、明日の行動分も含めて水の補給です。
それでもやっぱ気持ち良い!
爽快な小笹平を振り返りました。
先に進んでいきなりの倒木帯。
青薙崩という崩壊地。
崩の部分に突入です。ガレた稜線部の左が静岡、右が山梨、どちらも立つことも出来ない傾斜で沢筋に落ちています。いちばん高いところを行くしかありません、長いガレが続くので巻くことも出来ません。
見下ろしているのは東河内の沢筋。
写真の左で一旦傾斜が落ちます。よく観察して行動すれば問題ないところです。
持って行ったロープが20mで、慎重に3ピッチに分けて通過しました。
木が生えていても侮れない傾斜が続きます。
そして、45度くらいの傾斜の笹原の登り。
主稜線にたどり着くと一気に濃くなるマーキング。
一応登山道に出たのでのんびり歩いて青薙山山頂。
やぶもないので、地形を読むのに集中できるエリアです。3日目は登山道を下って(マーキングはありますが薄いので地図を読みながら下ります。)、標高約2100m周辺から登山道を離れ、南西に延びる多重山稜を下りました。
筑波大学の演習林の印。2040mのタル沢ノ頭。タル沢は東河内の枝沢です。
標高2000m~2050mの多重山稜の尾根はとても複雑です。タル沢ノ頭の南は単純な地形になります。その北は、地形図の情報の何を使い何を捨てるかということが問題になります。全てを理解しようとしないで、2100mの登山道から多重山稜に入ったらどんな風にタル沢ノ頭に行くかということです。
演習林関係の小屋。
無岳山2105.6mの三角点。
対岸に一日目に読図で歩いた尾根が見えました。地形図を見ながら鹿の子池の場所を同定しました。
無岳尾根と呼ばれる尾根を、東河内に向けて下りました。1500mくらいで道が登場しましたが、そこまでの下りは結構難しい尾根の下りでした。道が出た後も傾斜がきつく危険な感じでした。
最後はつり橋で左岸に渡りました。渡渉を覚悟していたので有難かったつり橋です。
演習林の看板。
林道を約1時間下ります。
地図の東河内温泉の建物。今は使われていません。
なかなか充実した3日間の山行。大井川東河内馬蹄形といってもいい今回の3日間の山行でした。地図を読みながらオリジナルの山を歩くというのも山の総合力が問われるのだと思いました。帰りの高速からの夕陽がきれいでした。
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