全国的にはたくさんの鋸岳があるようですが、間違いなく鋸という名前の山の中で一番高い山です。甲斐駒ケ岳から伸びる西の尾根のピークです。鋸の名称そのままにギザギザした岩稜の山です。いくつかのピークがあり、標高が一番高い『第一高点』を目指した山行です。アプローチが大変な山ですが、僕が一番楽に取り付けると思っているルートをご紹介します。
戸台大橋です。ここから北沢峠行のバスに乗ります。普通北沢峠行のバスは、仙流荘というバス停で乗りますが、下山が戸台河原なのでここから乗ります。
歌宿のバス停を過ぎて、丹渓新道のバス停で下車。ここからだと40分くらいで戸台の河原に降りることが出来ます。ゆっくり歩いてもです。ちょうど丹渓山荘の前くらいです。
昭和46年という文字が見えます。これは丹渓新道の途中に転がっている、スーパー林道の工事中の登山者に注意喚起する看板です。発破作業があるから歩く時は注意しろ!という意味。
戸台の河原と言いましたが、正確には藪沢です。昔からの一般ルートは、丹渓山荘あたりから八丁坂という急登を登って北沢峠に行きます。スーパー林道が出来る前からの登山道です。丹渓山荘あたりでは、本流を含めていくつもの枝沢が合流して戸台川となります。
まずは藪沢の渡渉からです。ぬめっているので履物があったほうがいいです。
今は使われなくなった丹渓山荘。鍵が閉まっていました。バスで楽ちんに北沢峠に行けるようになった現在ですが、それ以前はたくさんの登山者を迎えていたことでしょう。時代の移ろいです。
とても存在感のあるフジアザミ。本場富士山のものよりトゲが少ないです。
戸台の河原ではこの花も存在感があります。オンタデ。どこにでもある花なんですが、この日はとても綺麗でした。そう思えました。
もう一度渡渉をすると角兵衛沢の出会いです。渡っているのは戸台川の本流です。全員靴を脱がないで渡れました。丹渓新道を降りて、藪沢のはじめの渡渉をしてから30分くらいで角兵衛沢の出会いです。そこから樹林帯の急登となるわけです。
大岩下の岩小屋にテントを張りました。大きな岩壁の基部がえぐれていて、岩壁が庇の役をするので濡れません。快適な岩小屋です。そして何と言っても素晴らしいのが、一番えぐれたところから出ている水のしみ出しです。直接飲むことは難しい量ですが、コッヘルでも置いて置くとすぐ溜まります。有難い水場とセットの天場です。早速、ビールをいただきました。もちろん自分たちで担ぎ上げたものです。
今更ながら気づいたのですが、大岩の周りは立派なカラマツの大木がたくさんありました。見事です。
あとから、山梨の青年2人もやってきました。申し訳ないけど、僕らの方が先に到着したのでベストな場所にテントを張ることが出来ました。ここはテントを張るスペースがたくさんないので、遅く到着すると条件の悪いところにテントを張ることになってしまいます。
晩飯もできました。おほうとうと、漬物とごはん。なんか最近こればっかです。食料とテントは僕が背負いました。水場があるので、全く水の心配をしなくていいというのはありがたいです。
こんながらがらの中を登ります。岩は奇妙に均一化されたサイズです。大中小とサイズが変わりますがすべて動きます。でも、傾斜が緩く下まで落ちることはないのである意味安心です。自分が動かしてしまった岩は下まで落ちて行くということはありません。安心というのはそのことです。
雨と強風の中の山頂でした。雨は仕方ないとしても、やはり風ってやつは厄介です。フルーツゼリーが登頂記念。これオシャレで最近気に入っています。
大岩下の岩小屋の水場も雨のせいか、いつも以上に出ていました。ここは涸れたという話は聞かないので、頼りになる水場です。何より冷たくておいしい水です。
雨で修業登山となってしまいました。テントを撤収して下山。角兵衛沢を降りて戸台の河原に立つわけですが、今回の山行の本当の修行はそこから始まりました。続く!
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