放映日が決まりました。僕が出演した番組です。8月の収録でした。
ガイドという仕事をしているとマスコミとの接点は度々あります。当然のことだと受け止めています。いつものガイド登山と変わらないように心がけます。逆にいつものガイド登山も、テレビや雑誌に取り上げられるときと同じように背筋を伸ばそうと思っています。NHKBSにっぽん百名山の出演は2回目です。去年は鳳凰山でした。9日間の山行なので写真がいっぱいです。
どんな感じだったか・・・皆さんにお伝えしようと思います。収録は9日間。それを30分の番組に編集するわけです。まぁ、きれいな所だけをつなぐ感じでしょうか。カメラが回った時間は膨大だと思います。
事前に畑薙ダムから椹島までの林道の通行許可を静岡市に取っていました。東海フォレストのバスで資材を運ぶのは大変だし、時間を有効に使うため。まずは沼平のゲート。管理人のおじさんはちょっと怖いです・・・
椹島と千枚小屋ベースです。千枚小屋は手前30分のところまで林道が使えます。この林道の管理は東海フォレスト。ゲートの向こうは椹島から二軒小屋に通じる林道。
収録2日目、千枚小屋に登る林道に入ってしばらくで眼前の倒木・・・歩きか・・・と誰もが思った瞬間。
男8人で脇に寄せることが出来ました。素手でです。
4WDのハイエースがやっと通れました。
林道終点から千枚小屋までケーブルが伸びています。小屋の物資の上げ下ろしに使うためです。
歩荷さんが4人、カメラや三脚、バッテリー、食糧を持ってもらいます。ディレクター、カメラマン、音声、そして僕。全部で8人の撮影チームです。
9日間のうち、雨具を出すことはほとんどなかったものの、何とも青空に恵まれず苦しい収録でした。
千枚小屋からの日の出。
きれいだな―!という時はカメラ!となります。
千枚岳から悪沢岳に向かう時に出くわす悪場。9月のブログ記事にも登場します。
この悪場前後のところは見どころ満載。悪場を過ぎるとお花畑です。悪場というのは、千枚の山頂からすぐのところの岩場です。10mくらいしかありませんが、部分的に傾斜が強くてスタンスが見にくいのです。奥西河内側に切れ落ちているので、転落したらとんでもないことになります。
千枚小屋のお弁当。
白いトリカブトの撮影。カメラマンさんの背中のものは機材ではなく、ハイドレーションの水です。
これはステディカムという装置。一緒に歩きながら撮影してもぶれないんですって。カメラマンさんは大変です。ステディカムと固定カメラのコンビです。
丸山から悪沢岳の北東にある、万之助カールです。番組では取り上げられないかも知れないけど、個人的にはとても気になるカールです。大井川の西俣に入ってこのカールにつながる沢を登ってこのカールに泊まる。『雷井戸』という水場があるそうです。どなたかご一緒しませんか?もちろん夏です。伝転峠からの2泊3日!
丸山です。3032m。9日間で貴重な青空でした。とにかく朝からガスばっかり・・・
恨めしいガスの中を行く撮影隊。
小石のケルン。一人づつ積み上げて行くゲーム。待ちの時は退屈です。ガスや太陽、登山者が通り過ぎるのを待ったりする待ち。
ロケ中本当に天気に左右されました。この写真の青空は貴重なものでした。
左のリンドウがアカイシリンドウ、右のリンドウがサンプクリンドウ。北アルプスにはない花です。
赤石岳、聖岳方面をねらっていましたが、ガスがすっきりと晴れてくれません・・・
青空なんですが・・・千枚小屋に帰る時間も考慮しなくてはなりません。たたかいすんで日が暮れて。
ある意味象徴的な写真です。空の半分が青、半分が白。悪沢岳は日本で6番目に高い標高。当然回りも高い山々なのですが映像に収めることが出来ません。雲が取れなくて見えないのです。腕組みしている歩荷の笹本さん、う~ん、僕も同じ気持ちでした。
悪沢岳から荒川中岳への登山道、悪沢の下りで登山者が滑落した!との知らせが入りました。行きましょう!と撮影チームのディレクターさんからの声。現場に向かいます。
この顛末は以前のブログで書きました。悪沢岳レスキューという記事です。
ヘリに吊り上げられる登山者。腰の骨折でした。
遭難救助が終わっての悪沢岳の登り返し。なんか複雑な気持ちでした。
森林限界から上の前半の撮影が終わって、椹島に下りました。
後半戦は椹島から千枚小屋までの間の樹林帯です。時間を有効に使うために例の林道を積極的に使いました。
椹島と二軒小屋をつなぐ林道です。雨が降った翌朝、路肩の崩落でもあったのかダンプが忙しそうでした。
千枚小屋に登る林道の入り口。借りた鍵でゲートを開けて、橋を渡って行きます。
林道には距離のポイントごとにこんなサインがあります。ここは見晴台のポイントです。きっとスタッフで様子がわからない人のためだと思いました。とにかく長い林道です。椹島から終点まで、4WDの車でないと登れないし、1時間半かかりますから・・・
この日も展望はだめ!
で、樹林帯に入ってつなげる様に撮影を続けるわけです。ここは見晴台。
これはしらびその森を歩く登山者。登山者役は急遽歩荷隊が務めます。こんなこと一般の登山者に頼むことは出来ませんから。
清水平。 千枚小屋までの長い尾根で、貴重な水場です。昔の林業関係者にとっても大切な水場だったと思います。でも撮影隊にとってはつらい現場となりました。樹林帯の中でとにかく暗かったんでした。
こんなファンタスチックなシーンもありました。後光が射しています!
白樺の仲間の樹の解説もしました。これはオノオレカンバの撮影かな?
とにかく僕に時間がなく、僕が番組ガイドなので(この番組に出演するガイドのことはそう表現します。)僕のスケジュールで推移します。この日がリミット。ここで椹島から下山して次のガイド山行に出発です。山梨まで5時間かけて戻りました。翌日からは甲斐駒の西の鋸岳のガイドでした。最後に撮影チームの記念写真。楽しかった9日間の思い出!
皆さん、またどこかの山で一緒に仕事しましょう!ありがとうございました!
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