2014年12月17日水曜日

稲子岳

ニュウから稲子岳に向かいます。
実は簡単に考えていました。そこが甘かった!ここでかなりのハードワーク、ラッセルです。ニュウのあたりの地形図を見ていただければなんとなく想像が出来ると思います。ニュウの三角点のピークから中山峠方面に行くと、一度下って小ピークの登りが出ます。そのピークを越えると(標高差で30mくらい)なだらかな登りで中山との分岐に出るというのが一般的な登山道。その小ピークに登らないで、コルからまっすぐ南で稲子岳なんです。


距離にすれば900mくらいのもんです。主稜線から稲子岳の山頂まで1時間半かかりました。ラッセルです。ラッセルがなければ30分ぐらいの感じです。その感覚が甘かったのでした。途中で作戦をいろいろ考えました。が、目の前の雪の状態から結局稲子岳に行った感じでした。スノーシューを履いていても、深いところは腰まで潜りました。

稲子岳山頂付近


一瞬、青空が顔をのぞかせた!


南側は稲子の南壁、クライミングエリアはもっと西。


西に向かいます。

この柵はコマクサを中心とした高山植物を保護するためのもの。 


夏にはシカの食害から高山植物を守るために、電柵が張られるようです。 


やっちゃいました!道間違い!時間がなく日没までとの追いかけっこでかなりあせっていたら、真逆の方向に進んでました・・・稲子岳の西の有名な凹地(おうち)です。

ここは地質学的にとても有名なところです。国道141号線沿い、野辺山を過ぎて市場の坂を下って、千曲川をまじかに見るようになると、山の中なのに海という文字がやたらに出てきます。海ノ口、海尻、小海。このことと稲子岳周辺の地形はダイレクトに関係しています。

『平安時代の仁和にんな 三年七月三十日(887 年8 月22 日)の五畿七道の地震(南海―東海地震)で、北八ヶ岳 きたやつがたけの火山体が強く揺すられ、大規模な山体崩壊が発生した。八ヶ岳北部の天狗岳付近で山体崩壊が発生したと考えた。大量の崩壊物質は大月川おおつきがわ沿いに大規模な岩屑がんせつなだれとなって流下し、千曲川ちくまがわ上流部のJR松原湖まつばらこ駅付近で河道を閉塞し、上流部に巨大な天然ダムを形成した。』


国道141号線から松原湖を経て、なるべく車で山の懐まで入って山を楽しんでいるわけですが、その国道沿いの地名に‘海’という言葉が使われている理由は、平安時代887年に起きた山崩れで、千曲川がせき止められて生まれた地名ということです。
そして現在、北八つということで特徴ある自然を楽しめている大元は、地殻変動で現在の地形が形成された後の自然に僕らは触れているということです。この凹地に間違って入ったということは何かのお導きです。夏に必ず再訪したいと思いました。付け足しておくと、稲子岳は、地質学の上では平安時代の崩れのあとただ乗っかっているだけなので、いつ崩れてもおかしくないようですので、やばい場所ということになります。

うんざりするようなラッセルの途中の写真です。


最低部を南に行けば中山峠みちに出合うはずで、その距離は短いはずなんですが、どえらいアルバイトでした。マーキングを見てほっとしたのもヌカよろこびで、何じゃこれはのラッセルが続くのでした。


樹林帯

中山峠みちの登山道と合流して、トレースのありがたみを実感してのみどり池


闘い済んで、平和そのもののしらびそ小屋


泊ってみたいです!

スノーシュー履いたままガシガシ下りました。


ヘッデン使う前、ぎりぎりで車に戻りました。


なんとも褒められないゆとりのない山行になってしまいました。気持ちだけは負けないつもりです。

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