荷揚げの話は続きます。
というのも、荷揚げがスムースに行くための段取りが凄まじいんでした。そのことを記録しておきたい。一回の運べる重量を500㎏と想定して、トイレットペーパーからビールまで、いちいち計量して準備します。そこにはかかわっていませんでした。下の写真のひとつひとつをその都度ヘリコプターで運ぶわけです。準備が大変な作業です。
見かけたことあるんじゃないでしょうか?ヘリの荷揚げの時に使われるこのネット。もっこ(畚もっこ)と呼ばれる道具です。縄、竹、蔓(つる)などを網状に編んだ運搬用具です。これがないと始まらない作業です。ちょうど荷を新たに作らなくてはならなくなったので、時系列で写真をのっけます。
まずはもっこを広げます。
乗せる荷物を後で整えるために、しっかりもっこを広げます。
運ぶ荷物を載せた後で、上からネットをかぶせてズレない様にします。緑のネットは上もっこと呼ばれたりします。
あくまでも四角をイメージしています。上もっこで荷物をカバーして、ベースのもっこに上もっこの四隅を縛ります。荷を解体するときに一発でほどけるように上もっこの四隅をベースのもっこの網の一か所に縛ります。
上もっこが決まったら、ベースのもっこの四隅をまとめて、ホイストのフックに掛けやすいように準備しておきます。
準備した荷がヘリコプターで無事に小屋に運ばれた後、もっこを外して、上もっこの縛りを解いて荷物を急いでヘリポートから運び出します。必死です。
新しい薬師小屋を作ってくれる工務店。松本の滝澤工務店。北アルプスのいろんな山小屋を作ってきた実績がある工務店です。
8月下旬からの工事は、今の小屋の解体と新しい小屋の基礎を今年中に作ろうというものです。作業用の仮小屋の物資を運びあげた今回の荷揚げ。まだ終わりません。ヘリはどんどん資材を吊り下げて上がってきます。
思わずお茶らけてますが、この荷は、ヘリとのコミュニケーションがうまくいかず、とんでもなく遠くに降ろされてしまった資材です。もっこを外して人力でえっさほいさと運ぶ前に記念写真を撮りたくなったのでしょう。この後が大変でした。
下げる荷物も準備しました。
資材をまとめたところです。最後の荷の角材がヘリコプターで運ばれてきたときに対応できるようにしっかりとガードしています。ヘリコプターの強風で飛んでいかないようにということと、そのまま雨が降ろうが、槍が降ろうが工事が始まるまで耐えてくれるであろう養生をしたつもりです。
最後の角材。
荷揚げは無事に終わったのでした。でも、今回の荷揚げの後始末と、次のフライトに向けて濡れたもっこを干しました。いい天気で良かった!
もっこのたたみ方も学びました。四隅の一片の角のロープを残して、四つに折り畳んで丸めます。
丸めた最後はどこでもいいので、ネットのロープに末端のロープをくぐらせます。もっこ、サイズにもよりますが、だいたい15kg~20Kあります。
単純作業は、いかに効率よくやるかの勝負です。だらだらやっていたら仕事になりません。やっぱ何とはなしに山登りに通じると思えます。
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